聴覚についてはこちら
視覚の注意はスポットライト
聴覚と異なり、視覚の注意はスポットライトに例えられます。
視点を合わせる=スポットライトあてる
というように、注意のスポットライト(視点)を動かして、必要な情報を選択するという考え方です。
次の画像を見てください。

CentOSにMariaDBというデータベースをインストールするときの画面なのですが、
この中から、「”8f0a6bbd”という文字を探してください」という課題があったとします。
探しあてるまで、どのくらいの時間が必要でしょうか?
一方、下記の画面で「赤矢印の横にある”80/tcp”を探してください」では、探すまでにどのくらいの時間が必要でしょうか?

赤矢印の方が、早く文字を検出できたと思います。
文字の中に赤矢印を入れて目に飛び込んでくるように見える(ポップアウトといいます)ようにしてあるため、赤矢印の方が早く文字を検出できるのです。
オックスフォード大学出身のトリーズマン(Treisman & Gelade, 1980)は特徴統合理論で、「細分化された情報(特徴)は、注意を向けなくても認知することができる」と説明しています。
また、特徴総合理論による注意とは、スポットライトのようなもので、スポットライトが当たった部分は、物体を認識できるが、スポットライト外のものは、認知できないとしています。
しかしながら、スポットライトの大きさを、広げる、絞るように、ある程度変化させることができるという研究結果(Erikson & St. James, 1986)もあります。
参考文献)
公認心理師必須テキスト改訂第2版
高野陽太郎著 認知心理学 放送大学