感情が出てくる順番

泣くから悲しいお役立ち情報
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感情が出てくる(感情表出)の主な理論として、下記のものがあります。

いずれも、完璧な理論ではありません。

末梢起源説(ジェームズ・ランゲ説)

泣くから悲しい

米国のジェームズ・ウィリアム James, Wとデンマークのランゲ Lange, C による理論です。

ジェームズ・ウィリアムは、プラグマティズムの提唱者としても有名です。

「悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ」とジェームズが言っているように、泣くというような身体反応により、感情が出るという説です。

中枢起源説(キャノン・バード説)

悲しいから泣く

キャノン Cannon, W とバード Bard, P による理論です。

「悲しいから泣く」という言葉で説明されます。

外界からの刺激が、脳の視床に入り、大脳の感覚皮質、視床下部に情報が伝わります。

大脳に送られた情報のパターンから、感情体験の内容、種類が決定され、視床下部に送られた情報によって身体反応が生じます。

末梢起源説(ジェームズ・ランゲ説)への批判

  • 中枢神経系と内臓の間の神経を切断しても、情動(原因の明らかな感情)行動は変化しない
  • 異なる種類の情動や、情動と関係のない発熱や環境の暑い寒いでさえ、類似の身体反応が出る
  • 内臓は感受性が鈍い
  • 情動の源になるにしては、内臓の変化は緩慢である
  • 末梢の変化を引き起こす薬物を投与され、末梢が変化(身体反応)しても、末梢の変化に相当する情動は生まれない

後年の研究による否定

アックスの実験によると、怒っているときの生理指標と、恐れているときの生理指標の変化パターンは、かなり異なっており、情動ごとの生理反応にそれほど違いがないとしたキャノンによる考えは、必ずしも正しくないことが示されました。

さらに、エクマンらの研究において、さまざまな感情状態を思い浮べ、感情状態の表情をしてもらうという課題で、生理指標を測定したところ、感情ごとに生理反応パターンが異なっていたという結果が得られています。

感情の2要因説

ラベル付けで感情がでる

シャクター Schachter, S とシンガー Singer, J による理論です。

ジェームズ・ランゲ説の修正ともいえる理論です。

刺激による生理的覚醒(生理的喚起)が生じた後、身体反応をどのように評価、解釈(ラベリング)するのかによって感情が決まります。

生理的変化と原因帰属の2側面から構成されるという説です。

顔面(表情)フィードバック仮説

トムキンス Tomkins,S やエクマン Ekman, P による仮説です。

顔の表情筋は感情の種類によって細分化されており、表情筋から脳にすばやくフィードバックすることで、感情が生じるとしています。

感情の認知説(認知評価理論)

アーノルド Arnold, M による理論です。

刺激と反応の間に認知的評価(刺激の良いor悪い)が介在しています。

良い刺激には接近し、悪い刺激からは回避する行動傾向があります。

行動傾向を引き起こす動機付けが意識されると、感情体験になります。

ラザルス Lazarus, R も同じような認知評価を重視するモデルを提唱しています。

認知的評価と感情は独立

ザイアンス Zajonc, R による論理です。

認知的評価と感情は独立しているとし、感情の認知説と対立(ラザルスーザイアンス論争)しています。

認知的評価と感情は独立している根拠として、単純接触効果をあげています。

単純接触効果とは、初めて接する対象に繰り返し接触すると、対象に対しての好感度が上昇するというものです。

単純接触効果は、意識されない小さな刺激でも生じます。

単純接触効果によると、刺激に対して認知的な評価(意識的な評価)は、感情に必ず必要なものではないとされます。

認知的な評価が無くても、感情が生まれるということです。

社会構成主義説

感情を生物学的実体と考えないで、個別の感情は文化、社会的に構成されるという説です。

社会構成主義説によると、社会、文化に固有の思考法、経験、情動表出法(顔などに出る感情のこと)によって感情は獲得されるとしています。

それぞれの文化の人間関係のあり方、人間関係の目標、社会的基盤によって、状況を認知し、感情が形成されます。

精神力動論

フロイト Freud, S による感情の論です。

リビドーという心的エネルギーが感情を生み出しているとしています。

自分を守る防衛機制のひとつとして、不快な感情を抑圧するという無意識的な働きを重視しています。

抑圧された感情や欲が身体的症状として表出したり、他者に投影されたりすることで、さまざまな問題が起こるとしています。

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