薬物療法、精神分析諸派、行動主義など、心の問題を解決していく方法として、さまざまな治療法があります。
どんな治療を選択していいのか、迷っていらっしゃる方もいるでしょう。
誰に相談したらいいかわからず、そのまま辛い状態でいる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、治る治療法の選び方についてお伝えします。
多元主義で選ぶと治る
結論からお伝えすると、多元主義で治療法を選ぶことをおすすめします。
では、この多元主義とは、一体どのようなものなのでしょうか?
多元主義とは?
多元主義というのは、特定の状態や状況に対して、ある方法が他の方法よりも、より適切であるという考え方です。
無秩序に組み合わせることを折衷主義というのですが、無秩序ではなく、その都度適切なものを選ぶのが多元主義です。
民主主義に近い考えでもあります。
多元主義による選び方
たとえば、
食事には気をつけていて、ビタミン、ミネラルをバランスよくとっている。
毎朝、5時に起きて、体を少し動かして、規則正しい生活をしている。
肩こりや腰痛など体に痛いところはない。
お酒もタバコも吸わない。
薬は飲んだけど、副作用が強くて無理。
不安障害と気分障害を併発してしまっている方がいます。
このような方なら、食事療法や薬物療法より、鍼灸やブレイン・シンメトリー、認知行動療法の方が適切だと考えます。
最初に鍼灸を3か月くらい継続してやってみて、効果がなければブレイン・シンメトリーにしてみる。
というような選び方です。
大阪府在住 MO様の例
薬で治療していましたが、結果が良くなかったために、薬を使いながらブレイン・シンメトリーを受ける。
改善したため薬を辞めて、ブレイン・シンメトリーを受けて良くなりました。
千葉県在住 TI様の例
薬は副作用が強く飲めない状況だったので、電気けいれん療法を受けるが怖くて受けられなくなり、ブレイン・シンメトリーを受ける。
東京都在住 SI様の例
体のしびれが強いために整体を受けるが変化がなかった。そこで、ブレイン・シンメトリーを受ける。
では、多元主義と異なる主義、教条主義、折衷主義、統合主義についてお伝えしましょう。
教条主義とは?
一元的なアプローチで、ひとつの方法、ひとつの理論がすべてを説明できるという考え方です。
近代精神医学にあてはめれば、薬だけで対応可能とする考え方や、心理学だけで対応できるという考え方で、専制政治に近い考え方としてよいでしょう。
極端な教条主義になると、自分の行っている療法以外を全て否定し、自らの療法で全てが治るとすると主張します。
教条主義による選び方
たとえば、
A療法は、癌、うつ病、不安、糖尿病など、どんな疾患でも治る。
他の方法は必要ない。
医者やテレビなどは信じるな、私のことを信じてA療法を受ければ治るんだ。
というような考え方です。
安易な反科学主義となることもあります。
折衷主義とは?
現在の精神医学において、最も正統とされる生物・心理・社会モデル(バイオ・サイコ・ソーシャルモデル)が折衷主義の代表例です。
それぞれの良いところを柔軟に用いて、統合できるところは統合するという、とても良さそうな考え方に思えますが、最終的には、選ぶことも絞ることも出来なくなり、ただただ患者側を混乱させてしまう考え方です。
また、教条主義になってしまうこともあります。
無政府状態をイメージしていただければ、よいでしょう。
折衷主義による選び方
たとえば、
不安や抑うつ、不眠などの複数の症状があるとき、
症状の1つ1つに薬が処方され、カウンセリングもしながら、認知行動療法もしながら、環境調整もしている状態です。
次第に薬物療法がすべての中心となっていき、教条主義に変わっていきます。
Aさまの例
うつ病で病院から薬を処方され飲んでいる状態で、ブレイン・シンメトリーと整体と鍼灸を受けながらサプリメントなども飲む。
次第に、何をして良いのか分からなくなってしまった。
このような場合は、治療法を選ぶためのアドバイスが必要です。
統合主義とは?
精神医学では、生物的な脳と心理的な事柄が互いに関連していて、研究によって関連がわかってくるという立場です。
関連のありそうな点を一つ一つ線に変えていくような、とても根気と試行錯誤が必要なもので医療としては、実用的ではありません。
多元主義で選べるようにする方法
まだ日本では少ないですが、多元主義で様々な治療をコーディネイトする統合医療を実践されている先生方がいらっしゃいます。
どの治療法を選ぶか迷っていたり、何もかも混ぜこぜ(折衷主義)になっていて混乱しているのなら、相談するのもいいでしょう。
まとめ
さまざまな治療法がある中、どのように治療法を選んでいけば良いのか、簡単にまとめてみました。
参考文献|小池弘人著|統合医療の哲学