「ストレス」によって、自律神経が乱れ様々な不調が出ることは、ご存知かと思います。
ストレス耐性が少なく、小さなストレスで体が震えたり、涙が出たり、本番前に体調を崩したり・・・
私もそうでしたが、ストレスの限界を超えてしまうと、自分ではどうしようも無くなります。
ストレス発散は、正しいの?
自分が耐えられるストレスの量を超えてしまうと、体調が悪くなるから、許容量を越える前に「ストレス発散」をしようと考えるかと思います。
実をいうと、私も許容量を超えないようにストレス発散をしていたのですが、罠があったのです。
ストレス発散の罠
ストレス発散をすれば、全て丸くおさまる・・・というのは嘘です。
例えば、アスリートのトレーナーが、大会の先日に選手の筋肉が緊張していたため、ほぐしました。結果、気分は良いのですが成績はいまいちな結果に終わりました。別の大会でも、前日に選手の筋肉が緊張していましたが、最低限のケアだけにしました。結果、成績を残すことができました。
別の例では、プレゼン前に緊張して手足が震え、声も上ずり、誰が見てもストレスで参っていました。そこで、ストレスを発散させるべく、ゆったりとして音楽を聞き、心を落ち着かせました。
一方、同じように、プレゼン前で緊張して手足が震え、誰が見てもストレス過多でプレゼンに失敗しそうだという状態でした。そこで、体を動かし、少しだけストレスを緩和させました。
少しだけストレスを緩和させプレゼンに望んだ結果、緊張の中でアピールすることができ成功に終わりました。
ストレスを完全に発散させてプレゼンに望んだ方はどうだったでしょうか。
緊張がほぐれにほぐれていたため、「勢い」「気合い」「やる気」というような雰囲気を相手に伝えられず、プレゼンの内容は素晴らしいのに失敗に終わってしまいました。
さらに、このような例もあります。
試験で緊張のあまり、試験問題が読めない、内容が理解できない。でも、試験終了後落ち着いて問題を見直してみると、簡単にわかる。このような方がいらっしゃいました。
そこで、勉強が足りない、学力があれば試験で緊張しないと思い、必死に勉強しましたが、試験の成績が一向に伸びません。
結果を出すには、適切なストレスが必要
試験にしろ、プレゼンにしろ、舞台にしろ、全てのことに当てはまりますが、結果を出すには、適切なストレスを感じ、緊張している必要があります。
この適切なストレス状態から外れると・・・
このような結果になってしまいます。
失敗を繰り返すあまり、自信を無くしてしまうかもしれません。
方法は3つ
限界状態を保ち、ストレス限界を上げる
正直、辛いですし、微妙なさじ加減で精神が崩壊する可能性もあるので、一般人にはおすすめできませんが、自分の限界ギリギリのところで長時間保つと、ストレスの限界値が上昇します。
人を配置するなど十分な安全対策が必要です。
ほんの少しだけ、ストレスを発散させる
ストレスを水、ストレス許容量をコップの大きさとしましょう。
結果を出すには、コップに水が入っていて、水がコップから溢れていない状況にする必要があります。
コップに入っている水を全部無くしてしまうと、前述のように失敗してしまうので、コップから水が溢れ出ない最低限の量だけ、ストレスを発散させます。
試験前にタバタ式トレーニングを1〜2ラウンドだけする(経験者のみ)、プレゼン前にアンカリングをする、大会前に瞑想をする、などで少しだけストレスを発散させるのです。
ニューロフィードバックでストレス許容量を大きくする
ストレスを水、ストレス許容量をコップの大きさとしたとき、コップのサイズを大きくしてしまう方法です。
どなたでも受けられる簡単なトレーニングで、ストレス許容量を増やすことができます。
ちなみに、当センターの調べによると、過去にストレスでどうしようも無くなった経験がある方は、デルタ波(0〜4Hz)の振幅が多くなる傾向がみられます。
ストレスと自律神経
ご存知の方も多いかと思います。
ストレス多い→交感神経が高まる(闘うか逃げるか)
ストレス過多→副交感神経の背側迷走神経複合体が主軸(凍りつき)
慢性的なストレスで、海馬の機能が低下→記憶の喪失→樹状突起の萎縮・・・
また、ストレスの学習(古典的条件づけ、オペラント条件づけ)による反応もあります。
ストレスを甘くみないで、日頃からストレスへの対処をするようにしましょう。