うつ病の方への対応・ご家族の方へ

うつ病の方への対応・ご家族の方へうつ
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うつ病で病院に通っても良くならずお困りの方が来所されたとき、ご家族から良く聞かれるのが、対応方法です。そこで、実際の臨床経験で得られた対応方法をおしらせします。

うつ病のサインが出ていたら「どうしたの?」

人は誰しも、嬉しいときもあれば、落ち込むときもあります。

落ち込んでいるとき、うつ病のサインが出ているとき、ご家族から「どうしたの?」と一言だけ、聞いてみてください。

返事が無くても、「大丈夫」「気にしないで」という返事でも、構いません。

ただ一言だけ、優しくつぶやいてみてください。

相手を怖がらせるような雰囲気、姿勢で「どうしたの?」と言ってしまうと、逆効果で悪化します。

相手が逃げるそぶりをしているときは、逆効果です。

家族仲が悪い場合や、信頼できない感じがある場合、「どうしたの?」と言ってしまうと、逆効果で悪化します。

家族仲が悪い場合、親友から言ってもらうようにすると良いのですが・・・

家族が親友だと思っていても、本人は親友だと思っていないケースが多々あります。

悪化させてしまうような場合は、何も言わない方が良いでしょう。

「どうしたの?」と聞くタイミング うつ病のサインとは?

「どうしたの?」と聞くタイミングは、下記のうつ病のサインに気が付いたときです。

うつ病のサイン
  • 朝起きる時間がいつもと違うとき
  • 食欲がないとき
  • 朝から疲労感が漂っているとき
  • ため息がいつもより多いとき
  • 行動がいつもより遅くなったとき(遅刻・欠勤)
  • 口数がいつもより減ったとき
  • 人と会うのを避けるようになったとき

上のうつ病のサインは、うつ病だから出るものではありません。

厄介な仕事を抱えているとき、病気で体調が悪いとき、仕事が忙しいときなど出るサインです。

うつ病だから「どうしたの?」と優しく聞くのでは無く、普段とちょっと違うから心配して「どうしたの?」と優しく尋ねるのです。

うつ病で朝、起きられなかった方が、朝、起きたときは「どうしたの?」より「おはよう」と優しく言うと良いでしょう。

励ましNGのときもあるし、励ましてOKのときもある

一般的にうつ病は「励まさない」「頑張らせない」ようにするといわれています。

今まで頑張ってきて、これ以上頑張れなくなっているときなら、励ましNGです。

「これ以上、無理」というときには、「よく頑張ったね」と労ってください。

励ましOKのとき

うつ病から回復しようとしているとき、勇気が必要なとき、休職から復帰するとき、励ますことが必要になることがあります。

要するに、うつ病の本人が「ハードルが高い」と感じているときに、背中を押してあげるのです。

背中を押したことが、失敗することもあるでしょう。

失敗したときは、叱らず責めず激励もせず、「人生、自分の思う通りにはいかないものだ。次いこう」と冷静に言ってあげて、会話をしましょう。

失敗したことを責めると、悪化します。というかトラウマになります。

今の精神状態なら、失敗するとわかっていても、うつ病の本人が行動したいときは応援してあげましょう。

会話はキャッチボールと言われているように、一方的なものではありません。

まずは聞く。そして話す。また聞く。相手が話しているときに遮らない。自分の意見を押し通さない。これらが大事です。

くれぐれも詰問にならないようにしてくださいね。

うつ病に理解がない家族は敵。うつ病に理解がある家族は味方

うつ病に理解のない家族は、敵になってしまいますから、うつ病について理解しましょう。

よくある誤解

「うつ病は治らない」

「気合が足りないだけ」

「根性がないから鬱になったんだ」

「精神的な甘えだ」

うつ病は治るし、うつ病は気合いと根性で限界以上に頑張ってしまった結果です。

「~しなければならない」「~すべきだ」と言わない

「~しなければならない」「~すべきだ」と、自分を苦しめてしまう癖をうつ病の方は持っています。

そこで、うつ病の方には、「~しなければならない」「~すべきだ」という考え方の癖をなおしていく必要があります。

癖をなおすためにも、ご家族の方のご協力が必要です。

「~しなければならない」「~すべきだ」と言わない、考えさせない、感じさせないようにしましょう。

「朝だから、洗濯する」「15時だから休憩する」というように、ルーチンワークにしてしまうのがコツです。

特別なことはしない

気分転換の旅行は、うつ病の本人がしたいのなら良いかもしれませんが、家族が連れ出そうとするのはやめましょう。

ただでさえ疲弊しているのに、さらに旅行で疲弊してしまったら、回復が遅くなってしまいます。

また、「楽しめない」「実現できない」嫌悪感から自殺を考えてしまうこともあります。

決断は先延ばしに・・・と言っても無理

うつ病の場合、退職や離婚などの決断は先延ばしにすることが推奨されていますが、現実的ではありません。

一人で決断するのではなく、家族、親友、関係者と一緒になって話し合うのがベストです。

話し合った結果、伸ばせるのなら伸ばす。決められるなら決めるようにしましょう。

白紙状態で話し合うことが大事です。議論や結論ありきの話し合いではダメです。

正解も立場を変えれば、不正解になることがあります。

答えは1つではありません。

うつ病でないかもしれない

朝起きられない原因はうつ病というように、うつ病だと決めつけるのはやめましょう。

もしかしたら、うつ病ではない、他の病気である可能性もあります。

病院に行った当時はうつ病だったけれども、他の病気にも罹患してしていたということもありえます。

例えば、うつ病で風邪を引いた、うつ病で胃腸炎にもなっていた、という具合です。

内科で栄養状態を確認する血液検査を受けていただいたら、ビタミン類が極端に少なかったという事例があります。

ビタミンや亜鉛などのミネラルが不足していて、うつ病のような症状になることもありますから、体に不足しているものがないかチェックすることも大切です。

意外と不足しているのがビタミンCといわれています。

自殺のサインを見逃さない

自殺をさせないためには、普段と違うことに注意を払うことしかありません。

特に、症状が重くなったタイミング、症状がよくなったタイミングに注意しましょう。

自殺をしてしまった家族からは「何もサインがなかった」「わからなかった」という声を聞くことがあるように、ほんのわずかな変化を捉える必要があります。

ですが、ほんのわずかな変化を捉えようと気を張っていると、うつ病になってしまう可能性もあります。

自殺もまた観察するのではなく、会話や行動などで信頼関係(味方だと思ってくれるようになってから)をつくってから「あなたは価値がある人間だ」と言葉でしっかりとストレートに何度も伝えることが大事です。

だって、うつ病の本人は「自分は価値のない人間だ」と思って自信を無くしていることが多いのですから。

QandA

  1. 「うつ病になった」と打ち明けられたら
    「そっか。大変だったね」というように、受け入れる言葉と姿勢を伝えましょう。「気合いが足りないからだ」と言ったらダメですよ。
  2. 日によって気分が違う
    日によって気分が違うのは当然のことです。あなたの気分はいつも同じでしょうか? 楽しいときも悲しいときもあるはずです。「気分はどう?」と優しく聞いてあげてください。
  3. 仕事が生きがい(趣味)の夫に、休職をすすめるのはいいの?
    会話をしてみましょう。休職をすすめるのではなく、休職という選択肢も一つあることを会話を通して伝えるようにしましょう。一般的には休むことが重要とされていますが、好きなものを取り上げられてしまったら、どのような気持ちになるでしょうか。おそらく、嫌な気持ちになり自暴自棄になってしまうでしょう。さらに自己肯定感が無くなって重症化するかもしれません。
  4. 夫が休職することになりました。子供に伝えた方がいいの?
    小学生でも、お父さんの元気がないことに、気が付いていることが多いです。家族で会話をして、子供が気が付いているなら、会社を休んでいる理由や、気をつける点などを伝えて協力してもらうようにしましょう。
  5. 本人が病院に行くことを拒否する
    会話ができていますか? 一方的に話していませんか? うつ病だと決めつけていませんか? まずは、味方であることを伝えることが大事です。もし仮にうつ病でも、PTSDでも、前に一緒に進んでいくことを約束しましょう。
  6. お酒を飲んでしまう
    ご存知のようにうつ病のお薬にはお酒を飲んでしまうとダメなものが多いです。家族間のトラブルやうつ病以外の何か別な要因が潜んでいることが多いので、家族も本人もカウンセリングを受けることをお勧めします。
  7. 友人や知人のアドバイスは参考になりますか
    友人や知人の中にうつ病になった方がいるかもしれません。うつ病になったことがある本人からのアドバイスは役立つこともあるでしょう。しかしながら、うつ病というものは人によって様々です。アドバイスを聞いて出来るのならやってみて、結果で判断していくことが大事です。
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